2007.10.27 Saturday

公開講座:2007年第3回〜「転換期にあるアイリッシュ・ダンス」

サブタイトルに「メディア産業とリバーダンスの影響」とあったので、どういう切り込みがあるかと思ったら、意外と切られていなかったような気がした。 話は18〜19世紀から始まった。このころは各地を回る巡業形式で、その中にダンシング・マスターといわれるリーダーが引き連れていた。ダンスを披露する事もあるが、学校や台所でも教えていたらしい。このころ踊られていたのはオールド・スタイル・ステップ・ダンス(講師の通称らしいので、現地で言っても通じないとか)で、ビデオで見る限り、シンプルなものだったようだ。

ダンシング・マスターが作ったステップに名前が付けられ広まったが、人の記憶だけが伝授方法だったので、同じ名前でも色々なステップができていったらしい。

19世紀後半からアイルランドの情勢のため次第に廃れていった。1893年に脱英国化を図るためにゲーリック・リーグが設立され、そのロンドン支部がスコットランド人の間で行われていたCeilidhをみて、再びダンスを広めようとした。しかし、そこにきた人の中で知っているのが1人のみ。アイルランド在住の人に言わせるとアイリッシュ・ダンスというものでもなかったらしい。

その後ダンス・スクールが作られ、ゲーリック・リーグからダンス・コミッションが作られた。ダンス・コミッションはアイリッシュ・ダンスの基準を設定し、統一性を持たせようとした。その中で排除されたものもあるらしい。しかし、末端の人の間では必ずしもその基準に沿ってはいなかったらしい。そして競技会も行われるようになり、現在も続いている。競技会は2種類あり、どちらかに属していて、どちらも所属しているという人はいないらしい。

現在メディアで流されるのはリバー・ダンスタイプのもので、ステップも複雑になってきている。オールド・スタイルの間に音が次第に沢山入るようになったとか。この傾向が1960年代から始まったとか。テレビの普及なのか、商的な要素がふんだんに入ってくるようになってきた。映像で見る限りはリバー・ダンスのようなものが迫力もあって目を引くが、自分が踊る分にはオールド・スタイルのほうがいいような気がする。

メディアではアイリッシュ・ダンス=リバー・ダンスのようなダンスとなってしまっているが、もっと一般の人の参加型ダンスであることを強調しても良かったのではないか?と感じた。

 

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