2010.11.06 Saturday
公開講座:2010年第2回〜「ジョイスと塔」
先週に引き続き日本アイルランド協会主催の後期公開講座、第2回目に参加してきた。 現在、ジョイス・タワーとして呼ばれている塔で、中は博物館として公開されている。ジョイスはここに僅か6日間滞在していただけだが、彼の作品「ユリシーズ」の部隊となっているから、重要な場所となっているらしい。この小説の場面をより分かるようにと、塔に関する話があった。塔はマーテロ・タワーと言われるもの。ネットで検索するとマーテロ・タワー=ジョイス・タワーとの結果が出てきていたが、ジョイス・タワーはマーテロ・タワーの1つである。”マーテロ”はコルシカ島(フランス)モルテラ岬(Mortella Point)に建てられた要塞で、円筒型の屋上までの高さが12m、ちかもあった。現在は1794年にイギリス海軍が攻略し、破壊されて一部の形を残しているだけである。それ以降に同じような形をイギリスにも建てた。アイルランドに発っているのも、その当時はイギリスに支配されていたからである。
Mortella Pointの場所がよく分からないと言われていたが、帰宅後、地図検索を使って見つけ出し、更に塔の場所も確認できた。航空写真でその土地の辺りを見ていると、岬の上に半円形の影を見つけた。近くに大きな道がないのでストリート・ビューはないが、投稿写真の丸印があったので確認できた。
島の北にあるサン・フロラン(Saint Florent)の北東の海岸に見つかる。
「ユリシーズ」には塔のことは殆ど出てこないが、小説の最初の屋上の場面が塔の構造を知っているとよく分かる。この小説は読んだことがないので読んだ方が良いのだろうが、表現がかなりえげつないとのこと。大文豪でさえ、途中で止めたとのこと。だからといって読まないのも、と思って図書館から借りた。訳もいくつかあるが、古い訳は文脈が分かりにくいとのこと。最新のものが訳者による注釈も付いていて、分かり易い訳になっているとのこと。それを探し出して借りた。3分冊になっているので、取り敢えず1冊目だけ。それでも分厚い。貸出期間中に読み切るとは思っていないが、途中までも何とかなるだろう。
小説の舞台となったこのジョイス・タワーには行ったことが無く、近くを通った時に確認したり、あるテレビ番組の特集(日本未放映)にたまたま写っていたりしているのを見ただけである。次にDublinへ滞在した時にでもいってみようと思った。この近くの海岸がとっても美しいので、見学後ものんびりと出来るようだ。
今年の公開講座は2回だけなので、今回はこれでおしまい。タイトルを見た時にはそれ程興味は引かれなかったが、実際に聞いてみたら面白かったので、来年もまた都合を付けていきたいと思った。
| taigh's owner | 文化 | 23:55 | comments(0) | trackbacks(0) |