2013.11.02 Saturday

日本アイルランド協会2013年公開講座(後期)「いま、ふたたびアイルランドを語ろう」第三回

講座内容
■「古代アイルランドの宗教−ドルイドの謎」
 講師:松田誠思氏(神戸親和女子大学名誉教授)
■「アイルランドと日本の神話を語る」
 講師:佐野哲郎氏(京都大学名誉教授) 前半は古代ケルトのお話。階級構造とその中の地位の一つドルイドについての詳しいお話だった。
その話の前に、最近、大陸のケルトと島のケルトは異なっているという論説に対して少し話された。異なる説には遺跡やDNAが異なるのでは?という論説が出てきた。まだ結論は出ていない。しかし、文化的(精神的)なつながりはあったと思うとのお話だった。大陸で発見されたケルト暦が島で使われていたケルト暦と同じ構造だったということも、文化的なつながりがあったと見るべきなのだろう。

ケルト暦ケルト暦のカレンダーが図解されていた。私が作図した物が右の図である。ケルト暦の新年はサヴァンSAMAINで10月31日。日本でも最近お馴染みになってきたハロウィーンである。日本ではカボチャのランタンを作り仮装する事だけになってしまっているが、本来は新年を迎える行事である。この日は現世と霊界の境が曖昧になる日だ。”盆と正月が一緒に来たよう”…この日は1年の農業の始まり、草木の生命の循環の始まりであり、最も重要な日とされていた。インボルグINMBOLCは2月1日で、羊の多産と成長を祈り、春が始まる日である。ベルテンBELTAINEは5月1日(=May Day)で、光の到来を迎え、悪霊や悪疫を追い払う日である。ルーナサLUGHNASAは8月1日で、穀物の取り入れ時期が始まる日である。この季節の分け方を見ていると、同じ日ではないが日本の節分にも当たると思う。

ドルイドやアイルランドの神々に関しても興味深いお話だった。

後半はオシアン協会とアイルランドの神話から連想される日本書紀からの神話についてだった。ScotlandのJames Macphersonの『オシアンの詩』に対抗して結成された会だったが、6年程で活動が終わったそうだ。あの”オシアン”の裏でこんな事があったとは初耳で、驚いた。活動期間中には6巻の書物が発行された。アイルランド文学が大きく前進した切っ掛けになったようだ。そのおかげで、私が民話を読むことが出来たのかもしれない。

これで、今年の講座は修了。色々な形でふたたびアイルランドをより深く知ったような期がしてきた。

 

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